100トンクレーンで伊香保珍宝館の巨石を移設

先日、100トンクレーンを使った巨石の移設作業を見てきました。記録写真の撮影を頼まれたのですが、ふだんは目にすることのない光景だったので、非常に興味深く見ることができました。
作業内容は、高さ約5メートルの巨石を、同じ敷地内で数十メートル移動させ、横にして設置するというものです。
巨大なクレーン車やそびえ立つクレーンのブーム、吊り上げられた巨石などを、通行車輌のドライバーや歩行者が、感嘆と好奇の入り混じったまなざしで見ていました。
工事を請け負ったのは前橋市の駒形造園さんで、お仲間の樋下田龍園さんとの共同作業です。クレーン車は沼田市の一之瀬運送さんです。
駒形造園さんが、この作業のダイジェスト版を、わたしの拙いホームページに載せることを了解してくださったので、大雑把ではありますが紹介させていただきます。

これが移動させる巨石です。
群馬県吉岡町の県道15号線「上毛三山パノラマ街道」沿い、「珍宝館」のあい向かいに鎮座しています。

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珍宝館には、その名が示すとおり、珍しいものがたくさん展示されています。この巨石も珍宝館が所有しているものです。

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仕事にかかる前に、工程などの作業内容を説明しています。
左端がこの仕事の請負人である有限会社駒形造園の木暮社長。並びで指をさしているのは、木暮社長のお仲間で、こういった仕事の大ベテランである、樋下田龍園の樋下田俊明社長。

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100トンを吊れる大きなクレーン車。車体はベンツ製で左ハンドル。クレーン部は日本製(TADANO)です。

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クレーン車を現場に入れるための準備。角材の下に敷かれている正方形の鉄板は厚さが4センチもあります。

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これはクレーンの後部に取り付けるバランス用の重り。何もかも巨大です。

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巨石を吊るための準備が進みます。
石の大きさは実測しませんでしたが、石の高さは地中に隠れている部分まで含めると5メートルくらいと思われました。

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ベルトは布製ですが、ベルト自体もなにしろ巨大で重いため、取り付けるのも大変な手間がかかります。

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巨石が倒れないようにベルトで支えておき、台座部分の石を除去しながらコンクリートを壊します。

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長時間におよぶ準備作業がようやくすみ、ゆっくりと吊り上げられました。
作業前には重さ20数トンと予測されていましたが、クレーン車の計器によって約34トンと判明しました。

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34トンの石に100トン用のクレーン車を使うのは大袈裟と思う人もいるかもしれませんが、100トンというのは、わかりやすく言えばもっとも有利な条件下での能力です。たとえば、ブームを伸ばせば伸ばすほど、吊り下げ能力は低下してしまうのです。

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そんなわけで、この作業は100トンクレーンでも余裕綽々とはならなかったのだそうです。

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石は無事に空中を移動しましたが、じつは、下ろされたこの場所は目的地ではありません。

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目的地はここです。この目的地へ石をもってくるために、この後クレーン車はこちら(写真手前)側へ十数メートル移動します。
写真左端に、横になっている巨石の一部が見えます。その巨石が元あった場所は、この写真ではクレーン車の向こう側です。

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鉄板をすべて移動し、こうして敷き直しました。

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そしてクレーン車が再登場。今度は車体の向きも入れ替わっています。

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まずは台座に使われていた石の移動です。

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石をひとつ据え付けるのもけっこう時間がかかります。位置や向きを細かく調整しなければならないからです。
当然のことですが、石の位置をずらしたり回したりする場合には、その都度わずかにクレーンで持ち上げなければなりません。

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4個の台座用石の据え付けが終わり、いよいよ本体の移動です。
石の向きをほぼ180度かえなければならないため、数人で引いて調整します。

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ゆっくりと移動していきます。

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所定の位置に無事到着しました。

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慎重に位置を合わせながら下ろします。

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石が完全に安定するまで、クレーンで吊ったままです。

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設置が完了し、クレーン車の役目も終了します。

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後片付けやら何やらを済ませ、記念撮影をするころには薄暗くなっていました。

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素人のわたしはもっと簡単に考えていたのですが、かなり大がかりで大変な手間を要する作業だったことに驚きました。
そして、派手そうに見える(派手と言えば派手ですが)クレーンの活躍の陰には、その何倍もの手間をかけた地味な準備がおこなわれていることにも驚きました。
何はともあれ、工事は無事完了です。

有限会社駒形造園 群馬県前橋市駒形町446 TEL.027-266-1197
樋下田龍園    群馬県前橋市上大島町570-2 TEL.027-261-3676
珍宝館      群馬県北群馬郡吉岡町上野田3366 TEL.0279-54-5956

2 thoughts on “100トンクレーンで伊香保珍宝館の巨石を移設

  1. ノー天気バー

    取材お疲れ様でした。
    実際に見れば、迫力のある巨大さなのでしょうね。
    細かく丁寧な説明と写真で、良く分かりました。
    単に縦のものを横にし、置き場所も少し移動だけ…ではない
    車体は大きいけれど、緻密な計算をした丁寧な作業のなせる技…でしたね。

    矢張り横の方が見ていても安定感がありますが、
    そもそもなぜそんな風に変えたのでしょうね。

    珍しい作業、とても男らしい作業を拝見しました。
    ありがとう〜〜

    返信
  2. toshi 投稿作成者

    訪問ありがとうございます。
    石の大きさに対する感じ方は人それぞれですからなんとも言えませんが、現場にいて確実にわかるのは張り詰めた緊張感が漂っていたことです。
    技術的な知識が必要なのは言うまでもなく、判断力や「度胸」も必要です。おっしゃるとおり「男らしい作業」です。
    ところで、なぜ横にしたかというのは、安全性を考慮してのことのようです。

    返信

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