駒形造園が樹齢100年を超えるクロマツを移植

前回、巨石の移設を紹介しましたが、今回は大きな木の移植です。ただし、実際に作業がおこなわれたのは巨石より1年余り前です。

場所は群馬県前橋市。有限会社駒形造園さんの敷地内にある、自社所有の〝シンボルツリー〟です。
樹種はクロマツで、高さ約11メートル、重量は推定約12トンです。前回紹介した巨石ほどの重さではありませんが、「木は生き物」という点で、石にはない難しさがあります。
吊下用のベルトが外れないようにすること、樹皮がむけないようにすることの2つは最大の注意事項です。枝が折れないようにすることも言うまでもありません。

なお、巨石のときと同様、樋下田龍園の三代目社長、樋下田俊明さんが協同で作業してくれました。樋下田さんは大木の移植でも経験豊富です。

平成25年9月26日、有限会社駒形造園の敷地内で、クロマツの移植作業が行われました。
移植するにしては〝難事業〟に値する大きさです。
樹齢は不明ですが、幹に「亀甲」と呼ばれる模様が表れていることから、100年以上であることは確かなようです。

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移植する理由は、市の区画整理で道路が広がるため。

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このように道路沿いにあるため、5メートルほど奥の方へ移します。
〝たかが5メートル〟と思う人もいるかもしれませんが、何メートルであろうと基本の作業は同じ。大がかりです。

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区画整理の話が進むなかで、役所からは1年以内に移動してほしいとの要請があったそうです。そのため、平成24年3月には、根を切ることによって小根を生えさせる「根巻」をすませました。移植には時間的にも長い調整が必要なのです。

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吊下には、万全を期して60トンのクレーン車を用意しました。
クレーン車は一之瀬運送さんです。このときのオペレーターさんはとても車を大切にする人で、まるでマイカーのようにきれいに手入れしています。わたしは「新車ですか」と訊ねたのですが、もう長い間使っていると、笑顔でこたえていました。

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吊下用のベルトを固定する部分に、木が傷まないように保護材を巻きます。きちんとしておかないと樹皮がむけ、大きなダメージとなってしまいます。

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鉢(根)にベルトを巻く木暮社長(左の写真、青い作業着)。
数人がかりでの作業ですが、それでもだいぶ時間がかかります。

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ようやくクレーンで吊り下げるところまできました。
このベルトは特注品で、布製ですがものすごくタフです。

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長い時間をかけた準備がすみ、いよいよ移動させます。

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クレーンのブームがゆっくり移動しています。
根巻の際に切られなかった中央部の根が顔をのぞかせています。

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下ろす位置を微妙な動きで調整します。
樋下田社長(白い作業服)が、ヘルメットに付いた無線機でオペレーターに指示しています。

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写真右側、樋下田社長が立っている後ろの穴が、これまでクロマツがあったところです。

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最後まで根が張っていたところがわかりますね。

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今度は土をかけるなどして根を埋めていく作業です。

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根の下半分しか埋めていないのは、土を盛りあげて高くするためです。

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道路側から見たところ(右写真)と、ほぼ反対側から見たところです。

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木が安定するまで、クレーンはずっと吊ったままです。

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突然ですが、一段落したところで記念撮影。左端が木暮社長、2人おいて白い服装が樋下田社長。

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クロマツはここでやっとクレーンから解放され、ベルトを外されます。

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これは十数メートル離れたところにある庭石。

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その石をクロマツのそばまでクレーンで移動させます。

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大勢で位置を調整し、見栄えのいい位置へ設置します。

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なかなかいいところへ落ちつきました。

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この日の作業は終えましたが、まだ完成ではありません。後日、根全体に土を盛ったり、そのめぐりにさらに石を組んだりする作業が行われます。
木を傷めることもなく、もちろん怪我などの事故もなく、作業は無事成功しました。

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有限会社駒形造園 群馬県前橋市駒形町446 TEL.027-266-1197
樋下田龍園    群馬県前橋市上大島町570-2 TEL.027-261-3676

2 thoughts on “駒形造園が樹齢100年を超えるクロマツを移植

  1. 石井 節子

    スマホで拝見。でっかい仕事を小さい画面で見ています。巨石も巨木もその大きさに圧倒されて、正に男の仕事だ!とか弱き女の私は圧倒されています。これらの仕事の中に日本人の誠実さ、緻密さ、忍耐強さまで感じ取ることができるレポーターの筆致にも感動しました。

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    1. toshi 投稿作成者

      訪問ありがとうございます。
      こういう感想をいただけると、この作業に携わった方々も喜ばれるのではないでしょうか。
      巨石のときもそうでしたが、こういった仕事は派手なような地味なような(あるいは両方)ものですから、深く見ていかないとほんとうの凄さはわからないものです。わたしもまさにそうでした。
      ご丁寧なコメントをありがとうございました。

      返信

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