「号泣」ってどんな泣き方?

私はグラフィックデザインを仕事にしていますが、文章の作成もその範疇に含まれています。そうでなくても、昔から言葉に関してはいろいろと興味があり、あれこれ関心を寄せてきました。
文字校正の落とし穴」(2014.3.24)でも述べましたが、日本語は優れた言語だと思っていますが、その反面、曖昧な部分や矛盾する部分、整合性のない部分などが見受けられるのも確かです。

もうずいぶん前からですが、気になってしかたがなかったことがあります。テレビで見かける「号泣」という言葉です(新聞のテレビ欄でも見かけますが)。
少なくとも私がテレビで観たかぎりでは、正しくつかわれていたことがありません。テロップやナレーション、新聞のテレビ欄などで「号泣」とうたっていても、実際の画面ではせいぜい「すすり泣き」(これでさえほとんど見かけません)です。

号泣とは、
「大声をあげて泣き叫ぶこと」(大辞林)
「大声をあげて泣くこと。泣き叫ぶこと」(大辞泉)
「大声をあげて泣くこと」(広辞苑)
「大声をあげて泣くこと」(日本語新辞典)
「(涙を見せたことのないような一人前の男性が)感きわまって大声をあげて泣くこと」(新明快国語辞典)
「大声をあげて泣き叫ぶこと」(日本国語大辞典)

というぐあいで、どの辞典にも「大声で泣く」ということが記されています。
ちなみに、「号」という字には「叫ぶ」「大声を出す」などの意味があり、例えば「号令」や「怒号」などのようにつかわれます。

ところで、新明快国語辞典の括弧内の説明には少々疑問を感じます。一人前であろうと半人前であろうと、女性であろうと男性であろうと、大声をあげて泣き叫べば、私は立派な「号泣」であろうと考えています。

20140507

とにかくそんなわけで、不特定多数の視聴者に影響をおよぼすマスコミの方々には、ぜひ一考していただきたいと思っているのですが、番組の制作関係者の方々は、号泣の意味を知らずにつかっているのか、それとも知っているのに(視聴率をとりたいがために大袈裟に)つかっているのか、私はその点にも興味があります。

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