雪の種類あれこれ。水雪、粉雪、細雪、斑雪、衾雪、餅雪etc.

情緒豊かな先人たちは、雪にもさまざまな思いを抱いていました。湿雪、べと雪、新雪、根雪、しまり雪、堅雪、ざらめ雪。雪にもたくさんの姿や表情があります。

きれいなものであろうと何であろうと、雪は覆い隠してしまう。

 冬の寒さは今から2週間ほどがピーク。大寒も過ぎ、季節は立春へと移ってゆきますが、冬はもうしばらく居座り続け、まだまだ寒波や雪をもたらします。
 一般的には、寒さや雪は嫌われがちですが、情緒豊かな先人たちはそれを逆手(さかて)に取り、風流や風情という、日本人独特の感性で季節の風物を楽しんでいたようです。

 雪の降り方や形状を細かく観察し、さまざまな呼び方をしていました。よく知られているものも含めて、いくつか取りあげてみましょう。

表現や呼称には日本人の感性がたっぷり

 雪が降ることを「降雪」ともいい、「大雪」が降ったり「小雪」が降ったりします。新しく降ったものは「新雪」と総称されます。
 あまり気温が低くないと大粒の「牡丹(ぼたん)雪」、あるいは「ぼた雪」になります。言うまでもなく、牡丹の花のように大きな雪片という意味です。

 水っぽさが増すと「べと雪」や「湿雪(しっせつ)」となります。もっと水分の多いみぞれのような雪には「水雪(みずゆき)」という名前も用意されています。
 反対に気温が低ければ、細かくさらさらとした「粉雪」や「細雪(ささめゆき)」になります。粉雪は「パウダースノー」などと呼ばれてよく知られ、スキー場では大いに歓迎されますね。

 積もれば「積雪」と呼ばれますが、まだらに降り積もれば「斑雪(はだれゆき)」となり、地表にあるものを覆い隠すような状態に積もれば「衾雪(ふすまゆき)」と呼ばれます。

 ふんわり軟らかく積もった「餅雪(もちゆき)」や「綿雪(わたゆき)」もあれば、小さい米粒のような「小米雪(こごめゆき)」もあります。
 積雪に圧力が加わったものが「圧雪」で、積雪がずっととけなければ「根雪」となってしまいます。

 同じ積雪でも、きめの細かい締まった状態のものは「しまり雪」で、表面の雪が一度とけてから凍って堅くなったものは「堅雪(かたゆき)」。
 さらに、見た目がざらめのようになっている場合には「ざらめ雪」となります。

 山や土手などの崖状になったところには、積雪が張り出す「雪庇(せっぴ)」と呼ばれるものができます。雪庇は文字通り雪の庇(ひさし)という意味です。

 塀や木の枝などに積もった雪がずれ、紐が垂れさがったような状態になったものは「雪紐(ゆきひも)」と呼ばれ、もっとずれて落ちてしまえば「しずり雪」。
 電線などに凍りつくと「筒雪(つつゆき)」になり、門柱や杭などの先端に積もった雪が、帽子をかぶったような状態になったものは「冠雪(かんむりゆき)」となります。

 私は日本語しか話せないので他の国のことはわかりませんが、こんなにたくさんの呼び方があるのは日本だけではないかと思います。先人の粋な感性に改めて感心させられます。
 もうしばらく雪の季節が続きます。雪が好きでも嫌いでも、じっくり観察してみてはいかがでしょう。