
発見されたのはブラジルの山中
1月半ばから2月にかけての時期は、寒さがピークを迎える厳寒期です。私もそうなのですが、寒がりの人にとってはつらい時期です。
そのうえ緑も少なくて殺風景、という真冬に、あでやかな彩りを添えてくれる花の一つにカトレアがあります。
カトレアはラン科カトレア属の多年草で、中南米原産のカトレア種とその近縁種、それらの交配種などを総称してカトレアと呼んでいます。また、和名では「ヒノデラン」と呼ばれます。
〝ランの女王〟の異名を持つなど、ランのなかでも人気はトップクラスです。
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カトレアは盛んに品種改良が行なわれたことから品種が多く、その種類は数百とも数千ともいわれています。
大きさも、高さ10センチくらいから70センチくらいまでとさまざま。色の種類も、赤や白をはじめ、オレンジ、緑、ピンク、黄、薄紫、紅などと多彩で、まさに色とりどりの華やかさです。
カトレアという名前は、この花の発見者に由来します。原種は、1818年にブラジルのオルガンという山の中で19世紀に発見されたのですが、その発見者が、ウイリアム・カトレイ(1788〜1835)という、イギリスの園芸家でした。このカトレイにちなんで名が付けられたというわけです。
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日本への渡来は明治中期
原産は暖かい国なので、栽培に寒さは大敵です。最低気温が10度以上の室内やビニールハウスでないときれいな花が咲かないだけでなく、本体そのものにもダメージが生じたり、翌年の開花にも悪影響が出たりしてしまいます。
咲く時期も、四季折々に咲く種類があり、それぞれの特性を利用して栽培すれば、一年を通じて楽しむことができます。
1824年、イギリスで園芸種のカトレアが初めて開花しました。美しさを追求する気持ちはいつの世も、また、どこの国の人も同じらしく、その後は盛んに品種改良が行われ、ヨーロッパを発信地として各地へ広まっていきました。ちなみに、日本へ入ってきたのはイギリスからで、時期は明治中期と言われています。
花言葉は「優美な貴婦人」「あなたは美しい」などで、美しさや気品の高さを象徴するイメージが表されていますが、このほかに、「魔力」という言葉も花言葉のひとつにあげられています。あまりの美しさゆえ、人の心を幻惑する「魔力」にまで高まってしまったということなのでしょうか。
ランについて少し触れておきましょう。
園芸種のランは、東洋ランと洋ランとに大別することができます。東洋ランは、日本、中国の中部や南部など、主に温帯が原産で、古くから日本で栽培されてきたもの。
洋ランは、ヨーロッパの熱帯から亜熱帯が原産で、改良されて日本へ渡来したものです。カトレアはこの洋ランに含まれます。