狸寝入りって死んだふりのこと? そもそもタヌキはホントにそんなことをする?

人を化かしたり、昔話では悪役を演じたり、あるいは狸寝入りやら狸親父やら、狸のイメージもあります。でも、ホントはいいやつかもしれません。

人間にとっては馴染みやすいキャラかも。

タヌキは意外に気弱?

 多くの野生動物にとって、餌の確保がたいへんな冬は受難の季節といえます。特にタヌキにとっては、餌の確保どころか自分自身が餌にされかねないのです。11月ころから2月ころまでの間、冬の季節料理である狸汁として人間に珍重されるからです。

 タヌキは、山の斜面や大木などに開いた穴、ほかの動物が放棄した穴などを住み処(すみか)にします。ときには、複数のトンネルがある穴を掘ることもありますが、これが災いし、タヌキ狩りに逆用されます。
 人間がどこかひとつの穴から煙を送り込み、ほかの穴から逃げ出してくるところを捕まえる、俗にいう「燻り出し」に遭うことになります。

 タヌキは、驚いたり、追われて進退きわまったりしたときなど、ショックで仮死状態になることがあります。これが俗に「狸寝入り」といわれるものですが、これは失神であり、意図的に死んだふりをしているわけではありません。
 ただし、失神とはいっても完全な失神ではなく、脳がある程度覚醒していることから、本能による作戦的な警戒行動と考えられています。

 ところで、私たちが日常使う「狸寝入り」という言葉は、一般的に「眠っているふり」「空寝」という意味で使われています。つまり、本来の狸寝入りとは少々異なっています。

 タヌキはイヌ科に属しますが、同類の中では最も鈍足です。体型がずんぐりしているうえ、短足のためです。
 化かすことではライバルに当たるキツネよりも動作が鈍く、こういったことが捕獲されやすい原因のひとつになっているのかもしれません。

狸汁、毛皮、筆や歯ブラシに化ける

 狸汁は、味噌仕立の汁で、ダイコンやゴボウ、ネギなどを入れて煮込みます。ゴボウは笹掻きにしますが、これは狸の肉が持つ特有の臭いを取り除くためです。
 ところで、狸汁にはタヌキの代用としてアナグマが用いられることがよくあるようです。アナグマはイタチ科の哺乳類で夜行性です。日本では本州、四国、九州に棲息し、タヌキ同様穴を掘って住み処にします。

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 タヌキは雑食性で、ヘビやカエル、ネズミ、鳥や魚、果実や芋、穀類など、バリエーション豊かな餌を摂ります。好き嫌いがなくてタヌキ自身の栄養バランスは申し分なさそうですが、その雑食性ゆえ、肉に臭みが生じるのかもしれません。
 タヌキの肉はもともとおいしくないと評価されているようですが、冬以外の季節は肉の臭いがいっそう強く、なおさらおいしくないようです。
 それにしても、人間はそのタヌキを食らうわけですから、狸以上の雑食性です。

 タヌキは肉以外にも利用できる、いや、利用されるものがあります。毛皮は襟巻きやコートなどの防寒具に、毛は歯ブラシや毛筆用の筆に化けます。
 本来、タヌキは日本や中国などに棲息するアジア東部の固有種でした。それが現在はヨーロッパの北部と西部にも分布しています。これは、人間が毛皮をとることを目的に、旧ソ連からヨーロッパにかけ持ち込んだものが繁殖した結果です。

 狸寝入りもそうですが、タヌキは個性的なせいか、人間界の言葉のなかにもよく登場します。「取らぬ狸の皮算用」もそのひとつですし、昔話では悪役で登場する「かちかち山」が有名です。

 狸うどんや狸そば、狸親父や狸爺(たぬきじじい)、狸婆(たぬきばばあ)、狸囃子、狸顔、狸徳利ほか、まだまだたくさんあります。
 良い意味でつかわれるものもありますが、揶揄や悪役などのイメージで使われるものもたくさんあります。そう考えるとイメージはイマイチというところですが、悪役だって立派な役目ですからね。