ピーマンの青臭さの成分ピラジンは、血栓をできにくくする

子供には敬遠されがちなピーマン。でも、健康の維持や増進には大きなパワーを持っています。

ピーマン
色とりどりのピーマンが食卓に彩りを添える。

改良で辛さを抜いたトウガラシ

 中味はからっぽでも、人間の健康維持や増進に大きな力を発揮する優れた野菜、ピーマン。
 春に出回るものはハウス栽培のもので、露地ものは6月ころから出回るようになります。つまり本来は夏野菜で、俳句では夏の季語となっています。

 出荷時期は、産地や品種によって異なりますが、だいたい4月から6月頃が中心で、夏の終わりまで続きます。
 主な産地は、ひとつの県で全国の生産高の半分を占める茨城県を筆頭に、宮崎、岩手、高知の各県と続きます。

 ピーマンは唐辛子の仲間で、改良を重ねて辛さをなくした唐辛子の変種です。ちなみに英語では、甘い唐辛子という意味のスイートペッパーや、グリーンペッパーなどと呼ばれています。

 ピーマンの原産地は南アメリカのアマゾン川流域で、ラテンアメリカでは、2000年前頃から栽培されていました。大航海時代の始まりである15世紀末には、コロンブスなど、スペインやポルトガルなどの探検家によってヨーロッパへ持ち込まれました。

 日本へは明治時代初期、イスパニアという品種がアメリカから伝わり、第二次大戦後には積極的に品種改良が行なわれるなど、急速に全国へと普及していきました。

 品種が多く、たとえば色にしても、緑のほか、赤、オレンジ、黒、黄、白、クリーム、紫などさまざまな色があり、英名グリーンペッパーも過去のものとなってしまった感があります。

 形にしても、丸いものや四角張ったもの、長めのもの、唐辛子と同じようなかっこうの細長いものなどさまざま。見ても楽しいこの多種多様さは、野菜としてはトップクラスではないでしょうか。

 

 

血液をさらさらにする力も

 ピーマンは子供にはあまり人気がないようですが、これは独特の青臭さが嫌われるからではないでしょうか。青臭さのもとはワタやタネに多く含まれているピラジンという成分です。
 ただし、健康に貢献するという点では非常に優秀で、血液をさらさらにして血栓をできにくくする力があります。これは血管にとっては大きなメリットで、脳梗塞や心筋梗塞を予防するのに役立つといわれています。

 ピーマンには、ビタミンA・C・Eなどが多く含まれています。これらの成分には抗酸化作用があり、健康を阻害する活性酸素から体を守ってくれると言われています。
 また、アメリカでは、癌予防に効果のある野菜として上位にランクされています。

 

 

 ところで、緑ピーマンはまだ熟しきっていないもので、それが熟して赤ピーマンになります。したがって赤のほうが栄養価が高く、前述のビタミンA・C・Eなどは、緑の2倍から3倍も含まれています。

 ただし、だからと言って赤だけがいいというわけではないのは言うまでもありません。赤以外でもそれぞれの良さがあります。ひとつひとつ、じっくり味わいながら試してみてはいかがでしょう。

ピーマン2
グリーンはいまや地味な存在。