日本でのサクランボの生産量は山形、秋田、山梨、青森などが上位

ヨーロッパでは紀元前から親しまれ、1世紀にはすでに8種類の品種が栽培されていたほどの人気。

サクランボ2
味もさることながら、かわいらしさも魅力。

サクランボの生産量トップは山形県

 6月頃から盛んに出回るようになるのがサクランボ。同じ6月でもとかく敬遠されがちな梅雨とは異なり、夏の味覚として、店頭や食卓に彩りを添えます。

 ところが妙なことに、サクランボは梅雨どきが旬というのに雨が苦手。雨が多いと果実が裂けやすくなってしまいます。
 そこで、栽培には雨が少ない地域が適しているということになるわけですが、それが、山形、秋田、山梨、青森などの各県や北海道などです。
 このうち山形は、一県だけで全国生産量の6割から7割を占めるほどのサクランボ県です。

 サクランボは、雨量が少ないことや一日の寒暖差が大きいことが適しているなど、栽培には比較的デリケートさが求められます。このため必然的に高価になり、「赤い宝石」などと呼ばれたりします。

 サクランボの本名は桜桃ですが、今や通称のサクランボがすっかり定着し、それが本名と思っている人も少なくないようです。
 お察しかと思いますが、サクランボの名の由来は「桜の坊」「桜ん坊」です。
 ちなみに、英名ではチェリーですが、こちらはよく知られているようです。

 ヨーロッパでは紀元前から栽培されていたと言われ、1世紀にはすでに8品種あったという記録が残されているそうです。

 16世紀から17世紀ころになると、イギリスやフランス、ドイツなどで盛んに栽培されるようになりました。ちなみに、現在はドイツが主要生産国となっています。

名実ともに上位の佐藤錦

サクランボ1
観光農園でサクランボ狩りに興じる人も多い。

 主な品種をいくつかあげてみましょう。
 よく知られた佐藤錦は品質が優れ、結実も良好。人気が高く、栽培面積が多い品種です。
 全体が鮮やかな紅色で、甘味が強いのが特徴です。6月の中旬から下旬にかけて収穫されます。

 ロイヤル・アンとも呼ばれるナポレオンは、ヨーロッパで古くから栽培されていました。味は甘酸っぱく、生で食べるほか、加工用としても多く利用されます。
 日本へは、明治時代初期にアメリカから入ってきました。佐藤錦よりやや大きめで、表面の半分ほどが赤く色づきます。収穫時期は7月上旬です。

 アメリカンチェリーは、名前が表すようにアメリカから入ってきたサクランボです。主な品種はビングやレーニアなどで、表面が黒紫色のビングは果肉が赤く、甘味も酸味も強め。6月下旬が食べ頃です。
 レーニアはやや大きめの赤い果実で、果肉は白。7月に入ってから食べ頃となります。

 サクランボは、栄養面ではリンゴ酸やクエン酸などに加え、ブドウ糖や果糖、ビタミンC、カリウムなどを含んでいます。
 果実の色素は基本的にポリフェノールですが、サクランボの赤色はアントシアニンです。アントシアニンはブルーベリーなどにも含まれていますが、このポリフェノールには抗酸化作用があり、目の疲れの回復などに効果があります。

 また、鉄分や葉酸も含まれていますが、これらの成分は貧血予防や細胞の活性化に貢献します。