人類で最初にタコを食べた人は、どんな状況でどんな気持ちだった?

食べればおいしいけれど、それにしてもあのクネクネとした八本もの足やたくさんの吸盤−−−−奇抜な姿で、不気味とも思えます。

日本人にとってタコはおなじみ。
日本人にとってタコはおなじみ。すぐれた食材です。

 年の暮れから市場に出回り始め、正月にはお節料理と並んでよく食卓にのぼる食品に酢ダコがあります。
 関東では、タコを食べる時期が冬に集中し、特に酢ダコを好む傾向がありますが、関西では反対に夏、刺身や煮ダコにして食べることが多いようです。

 タコは世界におよそ200種、日本近海には50種が棲息しますが、通常、単にタコという場合にはマダコをさします。
 マダコはタコの中では最も漁獲量が多く、次にミズダコ、イイダコと続きます。

 タコ漁の半分はタコ壺で、あとの半分は底引き網や釣り、あるいは突き刺したり引っかけたりする漁法で行なわれます。
 また、遠洋漁業ではトロールによるそうですが、これだけあの手この手で攻められてはタコもたまったものではないでしょう。

 遊園地で見かける乗り物に、タコの姿を模したオクトパスというものがありますが、オクトパスとはタコの学名で、八本足という意味です。ただし、学問上では足ではなく、四対の腕と定義されています。

デビルフィッシュと呼ぶ国も

 このタコ、日本人にとってはなじみ深いものですが、西洋ではデビルフィッシュ、つまり「悪魔の魚」と呼び、食用とする国は少ないようです。ちなみに、日本以外では、主にメキシコ、イタリア、スペイン、ギリシャなどに限られるようです。

 たしかにあの姿はグロテスクで、食用としての観念ができあがっている今は別にしても、普通なら食欲を起こす代物ではないでしょう。もしも創造の神様がデザインしたのだとしたら、まさに神業的発想。さすが神様というところです。

 そのタコのデザインですが、八本足が集中する付け根、人間でいえば股間ですが、そこに鋭い歯の生えた口があります。
 そして、足と胴体の境目に頭や目があります。つまり、頭からいきなり足が生え、サンタクロースの袋のようなかっこうで、後頭部から胴体が後ろへぶらさがっているというわけです。
 とにかく、奇抜な姿が珍しくない海洋生物の中でもひときわ変わった、並大抵のデザインでないことは確かでしょう。

 ところで、そんな不気味とも思えるタコを最初に食べた人は、いったいどんなわけで、どんな気持ちで食べたのでしょうか。私はずっと知りたいと思い続けているのですがいまだにわかりません。

 ところがあるとき、知人が一つの説をとなえました。それは、
「古代から、魚や貝なんかと同じ感覚で普通に食っていて、それがそのまま現在につながっているだけのことなんじゃない?」
 というものでした。

 無人島に漂着して食べるものがなく、しかたなく食べてみたのだろうか、などと思っていた私にしてみれば、目から鱗がなんとやら、という心境でした。
 そして、その説は正しいだろうと、今でも思っているのですが、その一方で「果たしてほんとうにそうだろうか」とも思っているのです。

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投稿者: 風筆堂

昭和の中期に群馬県で産声をあげた〝高年〟男性です。県内企業を中途退職して独立し、グラフィックデザインとコピーライティングを生業としてきました。 一線を退いた今、日本(ときには世界にも目を向けて)の行事や民俗ほか、さまざまな物事を綴って行こうと思っています。 なお、「雑学エッセイ」を執筆するにあたっては、日本大百科全書(小学館)、ブリタニカ国際大百科事典(ブリタニカジャパン)、日本国語大辞典(小学館)ほか、たくさんの辞典や事典、図鑑類を参考にさせていただきました。

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