ヒマワリの花が太陽の移動に伴って向きを変えるというのは事実か

最大種では高さが3メートル、花の径は60センチにもなる豪快さ。やはりヒマワリは夏によく合う。

ヒマワリ
大きな花、明るい黄色はまさに太陽を思わせる。

ジョウギクから改名

 8月ともなれば暑い盛り。しばらくは暑さとつきあわなければなりません。太陽を恨めしく思うような人もいるかもしれませんが、ここはちょっと目線を変え、太陽と縁のある花、ヒマワリの話でもしてお茶を濁しましょう。

 ヒマワリは品種や変種が多く、世界ではおよそ160種が確認されています。八重咲きの「サンゴールド」や「イエローピグミー」、切り花にも利用される小形の「太陽」や「黒竜」、花びらが赤褐色の「アカバナヒマワリ」などがよく知られています。

 最も大きいものはロシアヒマワリで、高さは3メートル、花の径は60センチにもなります。それにしても60センチとは、なんと豪快で大胆な花でしょう。
 ちなみに、最も小さいものはヘリアンサス、別名コヒマワリという品種で、花の径はロシアヒマワリの10分の1ほどしかありません。

 ヒマワリの原産地は北アメリカといわれ、そこから世界各地へ広がっていったようです。
 日本へは、江戸時代に中国を経由して渡来しました。当時の名前はヒマワリではなく、ジョウギクと呼ばれていました。漢字では「丈菊」と表記しますが、これはおそらく、丈が高い菊という意味なのでしょう。

 ちなみにヒマワリは、学問上ではキク科に分類されています。そのジョウギクが向日葵と呼ばれるようになったのは17世紀終盤、元禄時代頃のようです。

 ヒマワリの漢字表記は「向日葵」と書きますが、これは中国で「こうじつき」と発音する漢名です。これを日本で漢字だけ拝借し、「日について廻る」という意味の日廻りという読みを当てたものです。

 ヒマワリは別名ニチリンソウ(日輪草)やヒグルマ(日車)、テンジクアオイ(天竺葵)、ヒュウガアオイ(日向葵)、テンガイバナ(天蓋花)などとも呼ばれます。
 また、英語名はサンフラワーと、いずれも太陽に由来するものばかり。夏を代表する花と言っても過言ではないでしょう。

 

花の向きを変え方は変則的

 ところで、ヒマワリの花は太陽の動きに合わせて向きを変えると言われていますが、じつは、この現象が起こるのは、シロタエヒマワリ(白妙向日葵)など一部の品種に限られています。

 シロタエヒマワリなどは花が開いてからも太陽を追いますが、ほとんどのヒマワリは花の開き始め頃までだけ向きを変え、花びらが黄色く色づく頃からは東を向いて動かなくなります。
 律儀に花の向きを変えている時期のヒマワリは、日没までに西へ向き終えると、夜明け前には東へ向きなおります。体が大柄で豪快な半面、几帳面で繊細な神経を持っているのかもしれません。

 また、種子には油分が多く含まれることから食用油の原料に利用されたり、菓子として食用、家畜の飼料、畑の肥料、石鹸の原料などにも利用できるなど、とても有用な植物です。