湖面を覆う氷に穴を開け、釣りと風趣を楽しむワカサギの穴釣り

湖沼に厚く張りつめた氷に穴を開け、ワカサギ目当てに釣り糸を垂らすというちょっとオツな釣り。そんな冬の風物詩が各地で賑わいをみせています。

氷上ではたくさんの人たちが釣り糸を垂れていた。群馬県赤城大沼。

 冬のレジャーのひとつに、ワカサギの穴釣りがあります。穴釣りは、湖や沼などの水面が厚い氷に閉ざされたとき、その氷の一部に直径20センチほどの穴を開け、その穴から釣り糸を垂らして行なう釣りです。
 釣り竿の長さはおよそ30センチから40センチ。これに、6本から7本の枝鉤がついた釣り糸がついています。

 福島県の檜原湖、富士山の山中湖、長野県の諏訪湖や白樺湖、女神湖ほか、氷が張る湖では全国各地で行なわれます。群馬県では赤城大沼や榛名湖がよく知られています。

 赤城大沼の穴釣りの名称(今年2022年の場合)は「2022赤城山大沼氷上ワカサギ釣り」。期間は1月10日から3月31日までの予定です。時間は午前7時から午後3時までで、その時間以外は氷上入場禁止となっています。
 また、新型コロナウイルスの広がりが顕著になっている昨今、感染対策のルールが定められるなど、制約が多くなっていますのでご注意ください。

 ワカサギは、漢字では「公魚」と書きます。これは、霞ヶ浦産のワカサギが、徳川十一代将軍(公方様)家斉に献上されことに由来し、以来、その漢字が当てられるようになったからと言われています。「公魚」のほかに「若鷺」「鰙」とも書きます。

漁獲量が多いのは青森や北海道

 ワカサギはもともとは川で生まれ、海や潮入りの湖で育つ北方系の海産魚でした。ところが、明治末期から大正初期のころ、霞ヶ浦などから全国各地の湖に移されて繁殖し、いつしか淡水魚として扱われるようになったのだそうです。

 ただし、全国各地へ広がったとはいえ、冷たい水を好む冷水魚という身の上から、天然ものでは島根県が南限と言われています。

 ワカサギは1年で成熟し、大きなものでは体長15センチほどになります。寿命は一般的に1年ですが、なかには2年から3年生きる個体もあるようです。
 産卵は1月から4月ころの時期で、親は湖から川を遡上し、直径1ミリ程度の卵を、およそ1万粒から2万粒、水草や護岸などに産みつけます。

 商業としての漁法には引網や投網、刺網、四手網、釣りなどがあり、全国では年間およそ1000トンが水揚げされています。
 ちなみに、漁獲量が多いのは青森、北海道、秋田、長野、茨城などの各県です。

 ワカサギの肉は低脂肪のあっさり味で、しかも、骨までまるごと食べることができるため、料理の種類も豊富。フライや唐揚げをはじめ、天ぷら、塩焼き、つけ焼き、南蛮漬け、佃煮など、幅広く利用されます。

 ところが、西日本では関東に比べ、食用の魚としてのなじみは薄いのだそうです。関東からみれば、せっかくの良質な食材なのに惜しいような気もしますが、ワカサギにしてみれば幸いというところでしょうか。

赤城大沼での新型コロナウイルス感染対策のルール
(ビジターセンターの案内板から抜粋)

●受け付けは代表者1名で。
●頭痛や倦怠感、風邪の症状があるなど体調の悪い人は入場不可もあります。
●検温の必要があり、場合によっては入場不可となるようです。
●マスクの着用必須。手洗い消毒の徹底。
●氷上テントの利用は2名(小学生以下を除く)まで。

詳細は赤城大沼漁業協同組合、赤城山観光連盟にお問い合わせください。